疲れたらやすむ

Javaを学ぶ上でハマったところを書いていきます。iPhoneアプリ開発や日常ネタもあるかも。

無から有は生まれない

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何を当たり前のことを言っているんだ?と思われてもおかしくないタイトルですが、わかっていても中々ちゃんと理解出来ない自分がいました。
理解しようとしなかった、と言った方が正しいかもしれないですね。

人間は誰しも物事を始めた時は初心者です。
やればやるだけ成長し、どんどん出来るようになっていくでしょう。
しかし成長の方法はインプットすることが一番の近道であり本質的です。
然るべきインプットをせずに闇雲に努力を重ねても、非効率な時間を過ごして期待した結果を得られずに終わってしまう可能性も高いのです。
私もそんな時期があり、時間をかけても仕事が終わらない自分が情けなくて仕方ありませんでした。

少なからず過去の自分と同じ思いをされている方もいると思いますし、備忘録的なものとしても残しておこうかと。
ちなみにITエンジニア視点での話になりますが、恐らくどんな業界でも通ずるものはあると思います。

エンジニアになりたての頃

製造業で働いていた私がITエンジニアに転職し、社内研修を経て現場に初めて入った時の話です。

自分で言うのもアレなんですが、研修の時はそこそこプログラミングが出来る方でした。
本来3ヶ月かけて行う研修は出来具合によっては2ヶ月程度で終わる人もおり、私もその1人です。
研修では詰まったところがあってもすぐにググって自己解決していたので、何でも出来る!と思い込んでいる自信満々人間でした。

ところが研修を終えて現場に行くと、自分の知らないことしかないと言っても過言では無いほどわからないころだらけでした。
もちろん業務で扱う専門的な知識はその現場に行って学ぶ必要があると思います。
しかしその他の基本的なプログラミング知識だったり、物事の考え方だったりが全然ダメだったのです。

ググっても欲しい情報を見つけられない、時間はかかる、バグは出す、コードを改修してもJavaDocはそのまんま・・・。
同じ会社の先輩に毎日ダメ出しされていました。

出来ると思っていた自分が、実は社会人としてまだまだ未熟だという現実を突きつけられてひどく落ち込みました。

仕事をすればするほどボロが出て空回りしてしまう悪循環に陥っていました。

計画性を持たないまま努力してみる

日々の業務を定時で終わらせられない自分の仕事力を目の当たりにし、とにかく始業前でも昼休みでも手を動かしました。
使える時間はところん使おうという考えですね。

考え方として悪くはなかったと思います。
しかし何もわかっていない状態、つまり今の自分は何がわからなくて何が必要なのかを把握せずにがむしゃらに突き進んでも、結局のところ有益な情報は得られませんし良い仕事は出来ませんでした。

それは先輩も同じことを言っていましたね。

「努力しているんだろうけど、全然ダメだよ。」と。

いやいや、こっちは昼休みも削って仕事しているんですよ。
もっと他に言い方あるだろ!と心の中では思っていましたが、確かに仕事は出来ていませんでしたし実際その通りです。

残念ながら社会では努力したけど出来ませんでしたというのは通用しません。

逆に言えば、適度にサボっていてもちゃんと与えられた仕事をこなしている人の方が生産性は高いですし評価されます。

新しい感覚

先輩にあーだこーだ言われる日々からついに開放される日がきます。
先に言っておくと、仕事が出来るようになったから口出しされなくなったのではなく、単に違う現場に行くことになったからです。

SESエンジニアは幸か不幸か、現場を3ヶ月単位で転々とすることがよくあります。
長い人は何年も同じ現場にいるんでしょうけど、私の場合は契約期間満了でした。
表向きにはあまり仕事が無いから契約延長も無いと言っていましたが、実際はどうなんでしょうね。

で、違う現場に行って適当に頑張ってそこそこ仕事をこなしました。
とくにダメ出しはされませんでしたが、前の現場の時のように同じ会社の先輩がいないからかもしれないですね。

とは言え人から何も言われないのはこんなに楽なのかと少し驚きました。
何を言われてもあまり気にしないタイプですが、前の現場では結構嫌な気持ちになっていたので。

そのまま時が経ちエンジニア2年目に。

何でもそうだと思いますが、2年も続ければ嫌でも自分の出来ることと出来ないことはわかってきます
人より努力なんてしていませんし、たまにはちょっと勉強しようかな?と思い立って本当に少しだけ家でプログラミングしたり調べ物をした程度。
それでも時間がある程度の私の立ち位置を自分に教えてくれました。

これは間違いなく2年前に知っておきたかった感覚でした。

自分の今の能力を知ると、
「これは出来る、もっと詳しく言えば大体何時間で出来る。
逆にこれは出来ないし、やろうと思うとまずこれから調べていく必要がある。」
という風に具体的な時間感覚や調べるべき物事、順序を把握出来ます。

もし時間が無限にあるのであれば、思い切り時間をかけて試行錯誤すれば良いと思います。
でも仕事って、有限な時間の中で求められている要件を満たしたものを納める必要があるんです。

しかし経験の浅い人間からしてみれば、何を何時間で出来るかはわからないし、まずはやってみたいじゃないですか。
これはどんな状況でも同じだと思います。
だから最初は時間がかかったり想定していた計画通りに進まないのは仕方のないことなんですけど、でもここでは自分の無知をしっかり受け止めて学ぶことが大事です。

無の自分からは何も生まれません
やるべきことに対して知識がなければ、何時間で出来るか、どんなやり方があるか、何を調べておくべきかはわからないのです。

曲がりなりにも2年も経てば、無ではなくある程度は有の自分になれたわけです。

結論として言いたいこと

社会人では出来ませんでしたは通用しない。
とは言っても最初は先輩や上司が尻拭いをしてくれます。
それを見て学ぶことはものすごく大事です。

出来なかった自分に何が足りていなかったかなぜ出来なかったのかを考えること。

とくに人の仕事を見て盗むのはとても大切なことです。
最初は何を盗めば良いのかすらわからないかもしれませんが、本当に何でも良いと思います。
1つ真似してみると気づくことがあり、そこからまた新たに気づくことがある。
そうやって着実に学ぶことが良い結果につながります。

知識が足りていないと思ったら勉強してみる。
業種によっては当てはまらないかもしれませんが、ほとんどの仕事は自分が生まれてくるずっと前から存在していたはずです。
つまり、先人の知恵が詰まった書籍や情報は今や数多く存在しています。

身をもって体験して得る知識はもちろん大事ですが、ぶっつけ本番では荷が重いですしやれるかどうかすらわからないですよね。
だったら本を読んだりググったりして予め情報を少しでもインプットしておきましょう。

何も知らない自分がどれだけ頭を悩ませても良い案は生まれません

ある程度の知識があって初めて、ここはこうした方が良いかな?あの方法で出来るかも!と考えられるのです。

わからないうちは人の話をちゃんと聞いて情報を集める。
もちろんこれはわからないうちだけの話ではないのですが、とくにわからないうちはってことで。

ダメ出しされるということは、少なくとも今のままの自分では良くないということです。
足りていないことを理解するチャンスなので、何がダメだったか、どういうやり方があるかを聞いたり考えたりしましょう。
無闇に進み続けるぐらいなら、1時間でも2時間でも1日でも使って自分の無知を知るべきです。

そして厄介なのが、一度出来るようになると出来なかった頃の気持ちや考え方を忘れてしまうんですよね。
だから出来ない自分、無の自分を見つめることはすごくすごく大切。

最初から何でも完璧にこなせる人は一部の天才だけです。
ヨーイドンでいきなり出来ないことは恥ではありません。
闇雲に突き進むのではなく、自分に足りないところを見つけて情報をインプットすることから始めましょう。